事に仕えて

『仕事』とは「事に仕える」と書く

『事』とは文字通り「この世界のすべての事」であり
それは『生命』とよばれる寡黙な「力」
ここでは、僕(陶芸家)がリスペクト(影響を受けた)
モノと人などを・・・
souteki
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朝鮮唐津ぐい呑み  中川 自然坊 作

自然坊先生が逝かれて幾年かが経つが、先生と作品達は色褪せることなく、以前にも増して輝き魅了して止まない。
このぐい呑みは、先生の代表作の一つで刷毛目・粉引・奥高麗など自然坊唐津を形成する一手白釉と黒釉が重なり合う青い窯変が荒波のように烈しく炎との格闘すえに生まれた一品

  

ヤツレ盃  田中 佐次郎 作

炎 煬 境 涯

 

青 峰 山 瀬 万 翠 鎭
一 昴 窯 煙 泣 鬼 神
苦 窳 陶 談 何 容 易
炎 煬 烈 風 邁 更 新

蕪辞

 

青い峰々が広がる山瀬は緑色の草木も
したたるばかりの閑けさ
ひとたび窯を焚いて煙をあげれば万有の
神気を歓こばせしむ
焼物が曲ったり、こわれたり
過去永い年月の失敗談を語り尽くせない
窯を焼く焔と共に烈しい風は自分の
生命そのものであり

これからも更に焼物の新天地を見つめてゆく

 

姫萩ぐい呑 三輪 栄造 作

将来を嘱望されながらも、若くして亡くなられた作家の作品ほど人気が高い物はありません。
備前の金重 道明 先生・信楽の古谷 道生 先生。そして萩焼の三輪 栄造先生も・・・。
『もし』栄造先生がご健在ならば、間違いなく現在萩を背負っておられたと多くの方が認める所です。

叔父は十代・休雪(休和)父は十一代・休雪(壽雪)共に人間国宝。 栄造先生も十代のご養子になられ三輪休雪の名代をつがれる準備をされてたとか。

 

灰釉赤土部ぐい呑 西端 正 作

井戸ぐい呑み  辻村 史朗 作

『媚びず・飾らず・躊躇わず』師を持たず独学で極めた豪放剛気な作風は、国内にとどまらず海外で高い評価を受ける今や日本を代表する陶芸家。

若き日に、とある美術館て「めぐり逢った大井戸茶碗』その出逢いが、史朗先生の作陶の原点となり豪放磊落な作品が生まれた。そんな所が、このぐい呑みの見所かと・・・。

 

 

シドニー織部ぐい呑み  鯉江 良二 作

現在陶の鬼才であり、自由奔放でありながら強いメッセージ性を持つ作品を生み出すカリスマ陶芸家。伝統をベースにしながらも、それに反するような独自の世界観を土を通して表現をする。『土に還る』『マスク』『チェルノブイリ』なメッセージ性の高い作品群。ひとつの所にとどまる事なく、精力的に国内外にて常に新たな方向性を追い求める強靭で自由な精神。また、そユーモアある人柄と作品で日本陶芸会を牽引する。
 世界各地でWork shopを開催する先生のオーストラリアは「シドニー」での一手。土も釉薬も現地の物を使った一手で、お約束の器側面に良の文字の彫り銘、見込みに溜まった織部釉のグリーンまさに見所満載❗️

伊部ぐい呑 金重 晃介 作

『土に素直に、炎に素直に』を信条とし『米より土が大事』と土をかじったという逸話をもつ、備前焼中興の祖にして備前の神様・人間国宝 金重 陶陽の三男が金重 晃介先生。備前陶の中でも極めて大胆な形象によって、『聖衣』など現代的造形作品を発表するとともに、伝統を踏まえた茶陶作品など造形の美しさは国内外で評価される。
余話を一つ、とある古美術商と晃介先生の会話です。
古美術商『陶陽先生からどのような事を教えて頂いたのですか?』晃介先生『姿勢です。』と一言、端的にお答えになったそうです。それは土に対する接し方とか窯に向う態度などを、無言で学ばれ陶芸に関しては何も言われなかったそうです。

志野ぐい呑み  鈴木 五郎 作

 

桃山陶を精神的な基盤とし卓越を越え超越した技術力(轆轤力)で、型にハマらない独創的な作品を生み出しつづけるスーパー陶芸家!
この志野ぐい呑みも桃山陶を知り尽くした先生らしく、雪のように白く柔らかな志野釉に豪快な鉄絵の景色が絶景かな絶景かな・・・!

 

 

 

黄瀬戸ぐい呑  坪島 土平 作

 

『東の魯山人・西の半泥子』と称され北大路 魯山人と双璧をなす川喜田 半泥子の唯一の愛弟子で、『半泥子』亡き後の廣永窯および作陶精神を継承する。茶器や懐石道具などに新しい創意を加え独自の作風を開く。

また、半泥子の意志と精神を守り、会派団体には所属せず個展を中心に活動され、2013年に黄泉へ 。

 

 

 

 

 

 

 

プラチナ金彩白磁酒盃  小坂 明 作

陶磁器の世界には『工藝』『クラフト』そして『ブジェ』と各ジャンルがある。 とりわけ『工藝』と『クラフト』は、いつの時代も対比と対立で今日を迎えてるように思う。
この盃の作家の小坂先生は、高次元で愛反る『工藝』と『クラフト』を融合させた稀有な作家だと思う❗️また、過去に某美大で教壇に立たれ多くの作家を育成され、某有名公募展の審査などもされました。そして、今は一切の職を辞し「海の見えるミカン畑」に囲まれた高台で晴耕雨読てきに作陶されてます。
 もう一つ、この作家の器は多くの料理研究家やフードコーディネーターが愛用されるとか。